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緊縛ショー・喜多征一『逝かせ縄LIVE』を見てきた!(2回目)


 2022年1月30日(日)、緊縛師・喜多征一さんによる『逝かせ縄LIVE』を見てきた。私はこれで2回目の鑑賞となるが(前回の記事はこちら)、実はこの緊縛ショーは東京と名古屋で交互に会場を移しながら毎月開催されている。遠征してどちらも観に行くファンがいるほどの人気なのだ。

 ▼次回はこちら▼

 今回の東京・四ツ谷での縄の受け手(モデル)は、4名。うち3名が前回のショーでは登場していない顔ぶれだ。「逝かせ縄」とは、その名が指すように縄で相手を縛ってイかせてしまう。逝くまでの過程や、逝っているであろう瞬間、逝ったあとの反応はさまざま。しかも、心身のコンディションによって変化する。この舞台は、まさに「生もの」だ。

 

 縄で安全に拘束する方法を学ぶことは第一に必要な心得だが、「逝かせ縄」では受け手がきもちよくなる縄の圧しあてかたや導線、受け手に不快感を与えないやり方、正しい身体の使い方や力の入れ具合、観ているほうにも格好よく映る姿勢の取り方などを学ぶことができる。

 

 ここでは、あくまでわたしの視点の感想を述べるが、どのようにおもうかは本当に人それぞれであることを先にお伝えしておきたい。どうか一度は観てほしい~!という気持ちでいっぱい。では、受け手(モデル)一人ひとりのようすをみてみよう。

 

 一番手の「さばみ」さんは、ポールダンスを趣味とする初登場の受け手。しなやかな肢体で漆黒レザー系のコスチュームを着用しての登場だ。柔軟さは誰よりもあるのでは……?と予想していたが、股を真っ二つに引き裂かれるように縄で釣り上げられ、涙でぬれる頬がばっちりテカッてみえたあたりで一度「ひっ!」とのけぞった。アクロバティックな格好であえぎながら号泣する姿は、ムチで叩かれ血色ましましの肌色もあいまって凄まじく耽美的だった。じっと黙視していたわたし自身、喜多道場で受け手をしているため多少なりとも実感をもって感情移入できるほうだと自負しているが、「さばみ」回はその想像を一気に超えてしまった。おもいきり泣いて、その吐息を聞かせてくれることで、こちらも息をするのをおもいだすような緊迫感だった。

 

 二番手の「エリ」さんは、『縛られ婦人』(喜多道場が提供する緊縛ビデオチャンネル|FC2動画アダルト)にて出演中。縄を身にまとった回数は底知れないはずだが、緊縛ショーでの露出は初めて。美しいブロンドヘアで純白のランジェリーを着用している。縛り手である喜多先生とふたりっきりで緊縛行為をするときは「やめてーっ!」「残酷ッ!」などおもいおもいの声を荒げることもあるそうだが、舞台ではどんなに体感がつらくなってもひたすらに甘く甘く、恥ずかしくも気持ちよさそうな声をもらしていた。見られることへの羞恥心からずっと表情を伏せていたが、耐え切れなくなって顔をあげてしまうときほど彼女はきれいで、前のめりでその姿を見ていたくなった。

 

 三番手の「おまんちゃん」は、前回の『逝かせ縄LIVE』で緊縛ショー・デビューをした受け手だ。一見とても露出度の少ない衣を身にまとっているが、それゆえに、つかみだされた乳房、裾をまくしあげられ投げ出される両足、後頭部で拘束された両手の肌の色がとても艶っぽくみえる。特徴的なのは縛られているあいだなるべく目をあけて、客席からのすべての視線を受け止めようとするところ。「これから私どうなっちゃうの?」とおもえばおもうほど口元が緩むが、度重なる「ニヒヒ」で手加減をされなくなっていくおまんちゃん、やはり途中からおもいきり泣かされていた。……が、最後には「いやだいやだ、まだやめたくないよぉ」の “” おねだり泣き”” になるという「M」具合。調教の過程を見ているかのようだ。

 

 四番手の「ake(あけ)」さんはストリップシアター『渋谷道頓堀劇場』所属の踊り子だ。縄の縛り手として練習を積む喜多道場の生徒でもある。akeさんが逝きまくっている姿を、喜多先生は縛りながらずっと注視していた。受け手がよがる姿のいやらしさから恍惚の表情を浮かべていたのではない。ショーの終息時は特に、眉間にしわをよせてじっとそばで見守っていた。逝ききっている彼女をしばらくして抱きかかえ、控え室へと向かわせたのち、「いや、いつもはあんなふうにならないから。声が違ったんだよね」と喜多先生は客席に伝えた。akeさん自身の日常にさまざまな変化があった数ヶ月だったのを知っておられたせいか、何かを敏感に察知したのかもしれない。客席からの感想は、なんだかもう、むちゃくちゃに解き放たれて安心しているように見えた。縄は、人の本当の姿をあぶりだすのかもしれない。

 

 緊縛師・喜多征一さんによる『逝かせ縄LIVE』は次回2月20日、名古屋にて開催予定だ。気になるかたはぜひチェックしてほしい!

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