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緊縛ショー・喜多征一『逝かせ縄LIVE』を見てきた!(3回目)


2022年3月27日(日)、緊縛師・喜多征一さんによる『逝かせ縄LIVE』を見てきた。鑑賞はこれで3回目となる。

鑑賞1回目(モデル:めい・あきら・おまんちゃん・結心、敬称略)
鑑賞2回目(モデル:さばみ・縛られ婦人エリ・おまんちゃん・ake、敬称略)

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同タイトルの緊縛ショーを追いかけているのには、理由がある。特定ジャンルに詳しくなっていく過程で欠かせないのが「定点観測」ではないか?とおもっているからだ。同じ場所(ここでいうと逝かせ縄LIVE)でずーっと観察対象を眺めてその変化をみるわけだが、人は誰でも自分なりのフェチを抱えているはずだから、その場に何十人と観客がいてまったく同じものを見ていても各々クローズアップしている部分は、ぜんぜん違ったりする。みんな「別視点」を持って臨んでいる。変化とは目の前で起こる物理的なことだけじゃなく、個人の気持ちの流れがどうなっていくかという心理的なことも含んでいる。

 

『逝かせ縄』で必ず登場するのは緊縛師・喜多征一さんだけだ。モデルはイベント開催ごとに入れ替えがある。人気のある受け手ほどリピート率が上がり、舞台で拝む回数も増えるわけだが、とりわけ緊縛LIVEでは以前とまったく変わらぬ状況を再現するほうが難しいだろう。同じ人物でも、受け手として新しいケースがどんどん積み重なっていくのだ。ゆえに、一度鑑賞したからといって「見たことあるから次はもういいや!」とはなりにくい奥深さがある。

 

喜多先生はとんでもなく受け手を観察し、相手の細やかな変化をとらえて縄の攻めかたを妙刻みで変えていく。舞台上の変化は日常の地続きにあるものだとわたしはおもっているのだが、実際どうなのだろうか。これは個人的な予想だが、モデルはふだん喜多道場で先生や生徒さんとコミュニケーションをとりながら緊縛の練習をしていたり、先生の緊縛セラピーを体験していたり、緊縛の写真撮影のため縛られたりしているので、喜多先生は彼女たちの機微を察することができるのだとおもう。よって、観客はさまざまな顔を「収集」したくなる。「別視点」「定点観測」「収集」はマニアが発動するスキルであり、緊縛ショー『逝かせ縄』ではそれらを全部使って楽しめるのだ。

▼次回はこちら(名古屋と東京で毎月交互に開催)

今回の東京・四ツ谷での縄の受け手(モデル)は3名。これまでのステージより1名少ないが、実は3名体制で一人あたり60分以上じっくり攻めるスタイルのほうが通常らしい。4名のときは、まだ舞台慣れしていない新人さんがいる場合で攻め時間もそう多くは配分していないという(それでも新人で40分はプレイしていたと記憶している)。

 

以下、前回の記事より抜粋。

「逝かせ縄」とは、その名が指すように縄で相手を縛ってイかせてしまう。逝くまでの過程や、逝っているであろう瞬間、逝ったあとの反応はさまざま。しかも、心身のコンディションによって変化する。この舞台は、まさに「生もの」だ。縄で安全に拘束する方法を学ぶことは第一に必要な心得だが、「逝かせ縄」では受け手がきもちよくなる縄の圧しあてかたや導線、受け手に不快感を与えないやり方、正しい身体の使い方や力の入れ具合、観ているほうにも格好よく映る姿勢の取り方などを学ぶことができる。

 

当記事ではわたしの主観で感想を伝えるが、人によって見える景色が異なるのは確かだとおもう。参考にしつつ、ぜひともナマで観てほしい……!

▲一番手の「結心(ゆい)」さん。以前は「いやだいやだ」と泣きじゃくって逃げ惑う姿が印象的で、もうどうにかなっちゃいそう!な感覚を何周もしているように見えたのだが、今回は違った。以前よりさらに強そうな縄で攻められている印象だったが、「いやだ」の段階を飛び越えて全身でイキきっているかんじ。耐性が上がっているというか、身体がある程度は受け入れちゃってるのかな……と。声にならない瞬間がくればくるほど艶めかしく、こんなふうに言っていいのか分からないが、女のわたしがみていてすごく欲情してしまった。

▲二番手「おまんちゃん」。東京の四ツ谷ではLIVE出演し、名古屋ではLIVE鑑賞する彼女は、喜多先生がどんな道具でどんなワザをだすのかをよく知っている。畳の上で身動きのとれない状態になり恍惚の表情を浮かべる彼女が、スッと出された細目の縄を見たときのリアクションが凄かった。「えっ!?それ使うの……!?」と、声にはださないが首を左右に「やだやだそんなことできないよ」と言わんばかりに振っている。明らかに動揺し、反射的におびえているのだが観客席はそれがなぜなのか分からない。そして数秒後、それが乳首だけをつまんで釣り上げるものだと気づく……。

▲おまんちゃんのTwitter、縛られたあと正気に戻ってからじぶんの言葉で客観的な視点で「このときどうだったのか」をつぶやいてくれるので見ごたえがある。

▲三番手「ake」さん。やはり縄を受けている回数が多いぶん、耐えられる縄の強度も身体の感度も段違いに見えるのだが、どうなのだろう……。あくまでわたし個人の視点である。すべてのあえぎ声が、なにかの弾みでとっさに出たものや物理的な反応によるものなどでなく、縛り手に身も心も委ねているからこそわき上がる激情のあらわれ、というかんじがする。けっして思い切り唸ったりはしない。縄から子宮へと伝わってゆく快感を聴いているような気持ちになるのだ……。akeさんが縛られる姿がそこにあると、極論、こちらが目で追わなくても耳でジンジンかんじてしまう。

 

▼akeさんTwitterは、ご本人が所属している渋谷道頓堀劇場を中心としたストリップショーのお仕事案内や喜多道場の最新情報などが流れてくるのでフォローをするのがおすすめだ。

 

▼緊縛教室『喜多道場』では、ゴールデンウィークに女性向けのイベントとして【襦袢(じゅばん)緊縛&撮影会】を開催する。どんな世界なのかちょっとのぞいてみたいな……というかた、一度アクセスしてみてください!

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